思考が停止してなにも考えられない。
そして、「惚れている」という言葉が頭の中でリピートされた。
惚れている、って好きってこと?
それは友達としてじゃなくて、恋愛感情として…?
悠馬の真剣な目から、なにを伝えようとしてくれているのかは、すぐに読み取れる。
だけど、そんなことでも考えていないと、自分を保てそうになかった。
「あーだから…」
悠馬はわたしの腕を話して、自分の髪の毛をぐしゃぐしゃと乱した。
口調はさっきまでの様子と変わって、いつもの悠馬に戻ったようだった。
「な、なに?」
「…ただの嫉妬だから、気にすんな」
「…!」
顔が赤く染まったのと同時に、言葉にならない声が口から漏れた。
わたしはパクパクと口を開閉させた。
言いたい言葉が出てこない。だけど、なにか言いたいことがある。
ーーそんな感じだ。

