ガシッと力強く掴まれた腕から、悠馬の熱が伝わってくる。
「な、なに…?」
沈黙が耐えきれなくなり、わたしから尋ねた。
それにさっきの失言で、早くこの場から離れたい、という気持ちもあった。
いつまでこの沈黙が続くのだろう?と悠馬の顔を覗き込んでいると、悠馬は何かを決意したように、ばっと顔をあげてわたしの目をじっと見つめた。
ーーその力強い悠馬の瞳に、胸が高鳴った。
「……俺はずっと前から、花音が大事だ」
「え…」
その言葉に、ドクンと心臓が跳ね上がった。
暗くて、よく悠馬の表情が見えない。
だけどまっすぐ見つめてくる悠馬の瞳から、その真剣さが伝わってくる。
「こんな時に言うのは卑怯だってわかってるけど…俺はずっと前から、花音に惚れてる」
その言葉に、何かに叩かれたような電撃が身体中を走った。
心臓が痛いくらいに、ドキドキと鳴っている。

