自分でもよくわかっていないこの涙の原因を、どうやって話せばいいのだろうか?



ーーだけどこれだけはわかる。

「わたし、自分で思っていたより…かなり、悠馬のことが大事みたい」

「………は?」

悠馬の反応に、ハッと我に返った。


何を正直に悠馬に話しているんだ。


「な、なんでもない!」

恥ずかしくなって、ばっと掴まれていた肩を振り払った。

「ほ、ほんと色々ごめん。じゃあ、わたし帰るね…」

恥ずかしさを隠すために、無理に笑顔を作って、後ずさりしながら悠馬に言った。


「じゃあね」と言って手をひらひらと振って、自分の家の方向に体を反転させると、大きく一歩を踏み出した。


しかし今度は、わたしが帰ろうとするのを、悠馬に引き止められた。


「……」
少し困惑したような表情の悠馬。

わたしはしばらく悠馬が何かを言い出すんじゃないかと待ったけど、しばらく沈黙が続いた。