青い春と出会った恋



「え、買ってくれたの?」

「はい、チケット代出してもらったんで、これくらいは…あ!先輩にはちゃんとコーラ買いましたよ」



「やべ…今日一番嬉しいかも」

「…え」

照れている先輩を見て、こっちまで顔が赤くなった。

そんなに喜んでくれるなんて思わなかった。



**

「面白かったですね」

「そうだな」

駅に向かいながら、映画の感想を言い合った。
洋画のアクション映画が大好きで、ちょうどシリーズの続編が上演されていた。


先輩もそのシリーズは毎回見ている、ということだったため、帰りはその話で盛り上がった。



信号で立ち止まると、向こう側から走ってきた人がいて、わたしはそれを避けるように先輩の少し斜め後ろへ移動した。


すると、ゆらゆらと揺れる先輩の手が目に入って、映画に向かう前のやり取りを思い出した。