「…なんだよそれ。じゃあ告白したのが先輩じゃなくても付き合ってた可能性があるってことか?」
キツイ口調でそう言われ、なぜ悠馬にそこまで聞かれる必要があるんだ、とムッとなった。
「なに?なんでそんな喧嘩腰なの?」
今まで悠馬の質問にきちんと答えてきた自分が馬鹿らしくなった。
どうしてここまで言われなきゃいけないんだ。
どうしようがわたしの勝手だ。
「お前がちゃんと考えねぇでだれ振り構わず付き合うからだろ」
「別に誰でもいいとか思ってないよ!」
朝の静かな道に、2人の声が響き渡った。
その声が耳に入ってきたのか、わたしの家の玄関が開いてお母さんが出てきた。
「花音まだいたの?玄関掃除してたら声が聞こえたから…あ、悠馬くんおはよう」
言い合っている声が聞こえて玄関から出てきたはずなのに、お母さんは呑気に悠馬に挨拶をした。
悠馬はもその挨拶に答えるように、軽く頭を下げた。

