「こんなわたしでよければ、よろしくお願いします」
頭を軽く下げたものの、先輩の反応が怖くて顔をあげれずにいる。
すぐに先輩がなにか言うかと思っていたが、何も声が聞こえずわたしはどうしたらいいのか戸惑っていた。
しばらく反応がなく、不安になったわたしは満を持して先輩を見た。
はっと一瞬だけ目があうと、先輩は片手で自分の顔を覆い隠し大きくため息をついた。
「え、せ、先輩?」
そのため息に不安になる。
返事するのが遅くて、もうわたしのことなんて興味ないんだろうか。
手で覆い隠されていて先輩の目が見えず、余計に気持ちが焦った。
するとその手がするりと落ちて、先輩と目があった。
少し照れ臭そうな先輩。
自分で自分の姿は確認できないけど、わたしも相当顔が赤いと思う。
頬が火照っているのが自分でもわかる。

