青い春と出会った恋



これが大人の余裕というものなのだろうか…。

わたしといえば、その告白という言葉に気が動転してしまい、思ったことを口に出せず、パクパクと水から上がった魚のように口を閉じては開けてを繰り返していた。


「…昨日呼び出しされた時点でそうじゃないかと思って、今日は授業に全く集中できなかったよ」

そう陽気に先輩は笑った。

先輩も緊張してたんだ…。
なんて考えてしまう。


「…じゃあ、ここで聞いていい?」

「え!?ここですか?」

「あー…だめ?」

「い、いえ…」

放課後、少し時間が経っているとは言え、やはり通りがかる人なんかがいる。


生徒が出入りする入り口ではないから、まだそこまで人は多くないけれど、それでも横を通っていく人の姿はもちろんある。


聞かれたらだいぶ恥ずかしいなーーそう思って後ろを振り返って人がいるか確認した。


数メートル先にいることを確認し、わたしは意を決して口を開けた。