そうだ。部長も外部受験すると言っていたから、この時期は部長にとってすごく重要な時間だ。
そんな中告白してくれた、ということはいろんな覚悟を決めて言ってくれたんだろう。
「だけど花音もあんまり無理しない程度にね」
「え?」
「思いつめすぎないように」
もうあの何か企んでそうないやな笑みはめぐから消えていた。
優しく微笑まれ、心の奥がギュッとなってなんだか涙が溢れそうになった。
その日の夜、わたしは吉永先輩にLINEを送った。
『火曜日の放課後、少し時間をください』
すると、すぐに既読がついて『わかった。玄関ホールで待ってる』と返事がきた。
一週間以上も待たせてしまった。
だけど自分でしっかり考えることができた。
めぐにも相談して、それからも自分で納得がいくまで考えた。
この出した答えに、もう迷いはないし、これを先輩に告げても後悔なんてしないだろう。
そう思えた。

