図星を突かれて、目が泳ぐ。
めぐはそれを見逃さなかった。
「えー!だれ?わたしの知ってる人?」
「いや…」
知らなかったら、知らない人とすぐに断言したと思う。
だけど違う、と言えば嘘になる、という変な正義感が働いたのか、中途半端に否定してしまった。
「あ、わかった!一ノ瀬くんでしょ?」
「え、違うよ!」
「えー誰だろう…。わたしの知ってる人でしょ?」
めぐは真剣に考え出した。
知ってる人、とは言っていないのにわたしは反応でそうだと確信したようだ。
「同じクラスの、翔也くん…だっけ?あの子?」
「違うよ!というより、わたしが…じゃなくて友達!」
友達の話にすり替えて相談しよう、と急にいいアイデアが浮かび、遅いかな?と思いながらも言い換えた。

