「いや…そういうのじゃないんだけど…」
「えー言えないの?」
わたしの顔色を伺うようにしてめぐが聞いた。
わたしはチラッとめぐを見て考えた。
遠回しに相談してみようか。
そもそも3年生なんて階が違うし、部活以外でもともと会う機会なんてほとんどなかった。
それが引退したとなれば、ますます会わない。
こんなんじゃ、1人で考えてもいつまでたっても答えなんて出ない。
ーーそう思ってめぐを見つめて口を開いた。
「実は…恋愛系の話なんだけど」
「え!?恋バナ!?」
わたしの「恋愛」という言葉に異常に反応して、やけに嬉しそうに返した。
「こ、恋バナっていうか…」
「あーわかった。告白でもされたんでしょ?」
ニヤニヤしながら痛いところをつかれた。

