ほんとだ。
ものすごい早さで心臓が動いているのがわかる。
ドクドクと心臓の脈が、手からわたしの体全体に伝わってくる。
すると先輩がわたしを握っていた力が緩み、わたしの腕はぶらんとわたしの横に戻って来た。
夕方になって冷えた、冷たい風が火照った頬をひんやりと冷やしてくれる。
それでも体全身がとても熱いのが自分でもわかる。
「言おうかずっと迷ってたんだ。俺自身、受験するかもしれないし、もしそうなれば桜木にOKをもらえたとしてもダメだったとしても何かしら影響が出るだろ。だから進路が決まってからって思ってたんだけど…。思わず桜木が可愛くて言っちまった」
「ははっ」と照れくさそうに笑った。
その笑顔にわたしはドキッと胸が高鳴った。
いつもなら、「可愛い」と言われたくらいだったら「なに言ってるんですか」なんて言って冗談交じりに返事出来たのに、今はそれが出来ない。

