昨日はわたしの味方をしてくれてあの3人組からわたしを引き離してくれたのに。


そう思っても、もう悠馬は歩き出していてわたしは背中を眺めることしかできなかった。



「あの…ごめんね。呼び止めて」

「いや、別に気にしないで!」

申し訳なさそうな声でそう言われ、わたしは思わず元気よく声を張り上げた。


「手紙のこと…本当にごめんなさい」

「え?あー、もう大丈夫だよ。昨日も謝ってもらったし!」

「あと…昨日一ノ瀬くんとの時間をくれてありがとう。それだけ言いたくて……」

そう言われて悪い気する人なんていないだろう。

正直、あの手紙の事件なんて数ヶ月前のことだし、もう頭になかった。


夏休み、部活の大会、文化祭、そんないろんなイベントがあって、楽しくて、すっかり忘れていた。


彼女たちが反省している様子も十分伝わった。

だから昨日、悠馬を引き止めたんだけど、こうやってわざわざ感謝を伝えてくれると言うことは、きっと根は悪い人じゃないんだと思う。