「理事長が身内だとしても、さすがにここまでしてもらうのは…」
不正入学って今話題になってるし、ここまでしてもらうのは気がひける。
「弓道部での特待生扱いだよ」
悠馬が口を挟んだ。
「え?弓道部?」
「花音弓道ずっとやってるでしょ?それで推薦で受験しないかって話になってるのよ」
確かにわたしは中学で弓道部に入っていて、部長も務めていて、かなりの強豪校だった。
もう三年生は夏休みの途中で引退して今はもう弓道はしていない。
「大会の実績や顧問やコーチからの推薦状があれば特待生として入学できるらしいのよ」
考えが追いつかず、すぐに「行く」と返事ができず、わたしはしばらく黙り込んだ。
「…まあ、どこの高校へ行きたいかは花音が決めなさい」
お母さんが乗り気なのと違ってお父さんは冷静だった。

