青い春と出会った恋



はじめは気にならなかったが、通りすがる人がこっちを見ていることに気づき何とも恥ずかしくなった。

いくら文化祭とは言え、やっぱりこの衣装は目立つんだなと改めて実感した。


「早く来てくれないかなー」

そんな思いはめぐには届かず5分くらいが経過した。


こんなことなら、教室でもう少し待っていればよかった。


顔をあげるといろんな人と目が合うから、わたしはスマホを取り出して下を向いていた。


「…あれ、一ノ瀬?」

聞き慣れた声が聞こえてパッと顔を上げると、部長が廊下から顔を覗かせていた。


「あ!部長!」

この1人の恥ずかしさから解放される!ーーそういう嬉しさでわたしは部長の元に駆け寄った。


「え、ちょっとストップ!」

わたしが部長に近づくと、部長は反動して後ろに下がった。