青い春と出会った恋


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文化祭当日。

なんとか自分の担当していた衣装を期日までに縫い終え、自分のミッションをコンプリートできたことに心の底から喜んでいた。

じっくり衣装を眺めると拙い部分もあるけど、全体的にはいい感じに仕上がっている。


小学生の時に家庭科の授業で縫ったエプロンは、出来が悪すぎて途中で自分自身に呆れてしまいとても面白くなかった。

もちろん仕上がりもパッとしない感じ。


わたしが作ったこの衣装を誰かが来てくれるんだ、と考えたら自然と笑みがこぼれた。



「ジャーン!衣装借りて来たよ!」

両手いっぱいに衣装を抱えながら1人のクラスメイトが叫んだ。

その言葉とともに一気にその子の周りに人だかりができた。



「えっと、じゃあまず…」

文化委員が指揮を取って衣装を1人ずつに渡した。


もちろん全員分はないけど、かなりの数を用意してくれた。