「花音もなんか着んの?」
「うん。インド衣装着るんだけど、サリーって知ってる?」
わたしはスマホで写真を出して「これこれ」と悠馬に見せた。
「クラスの子がさ、知り合いに民族衣装を扱ってる会社を経営している人がいるらしくて、格安で貸してくれたんだって。着た事ないからすごい楽しみ!」
「似合うかな〜」なんてなんて口ずさみながら悠馬が広げた衣装を畳んで紙袋に入れた。
「…ちなみに、3時からって何してる?」
「え?3時?」
クラスの当番の書かれたスケジュールをカバンから出して、自分の予定を確認した。
「お!ちょうど3時からフリー時間だ」
「…お前、体育館には絶対来るなよ?」
「え?なんで?」
「いいから!」

