「わたしのクラスは写真館って言って、衣装の貸し出しして写真取ってあげるって感じ」
「へーいいじゃん」
「でもわたし裁縫とか苦手だから、今すごい苦戦中」
「ほら」と言って紙袋から縫い掛け中の衣装を出した。
「それ自分でイチからやんの?」
「家庭科部の子が下地切ってくれてて、わたしはそれを縫うだけだから…まだ楽だよ」
「ふーん、すげえな」
わたしの拙い衣装を紙袋から取り出して悠馬はそれをまじまじと見た。
ミシンで縫っているがかなりガタガタで、素人が見ても下手くそなのはすぐにわかる。
だからあまりジロジロと見ないでほしいんだけど…。
そんなわたしの願いは叶わず、悠馬は広げて衣装全体を見たりしていた。
我慢できず「もういいでしょ!」と悠馬から衣装をひったくった。

