「あ、そうだ。家上がって行くんでしょ?」
「え、あーいや、今日は帰るよ」
「え?」
「ちょっと用事思い出して」
「あ、そうなんだ」
「またな」
悠馬がそう言って車に入ろうとした。
「あ、それすっごく美味しいから、溶けちゃう前にちゃんと食べてね」
そう伝えると悠馬は少し嬉しそうに「わかった」と答えて行ってしまった。
…にしても一体何しにきたんだろうか?
本当に謎だ。
昔から結構謎な行動の多いやつではあったけど。
結局、悠馬が来た本当の目的はわからないままだった。
悠馬とはわたしが幼稚園に行っている頃知り合った。
公園で友達と遊んでいると悠馬が一人でやってきたのだ。
子供って不思議なもんで、見ず知らずの他人とあっという間に友達になってわたし達は一緒に遊んだ。
すると10分後くらいに悠馬のお世話係の人がやってきたのだ。
どうやら、家から飛び出したらしく迷子になっていて、大勢の大人で探し回っていたそうだ。

