「ああ、まだいましたか。無駄足にならなかったようで、なによりです」
オリヴィエは仕立てのよさそうなベストの埃を軽く払う仕草をして、こちらにやってきた。そして、「これがランチワゴンですか」と値踏みするようにランチワゴンを観察したあと、私たちの顔を見回す。
「見知った顔ぶれですね。その旅、僕も参加したいのですが」
「え、オリヴィエが!? リックベル商店はいいの?」
まさか、彼が参加を申し出てくるとは思っていなかった。私が驚きながらも尋ねると、オリヴィエは愚問だと言いたげな顔をする。
「ええ、従業員は余るほどいますし、問題ありませんよ。それに、前にも話したでしょう。店を出して繁盛させる。そのルーティンに飽きていたところだと。あなたについて行けば、新しい商売の切り口が得られそうですからね。その見返りと言ってはなんですが、これは僕から献上品です」
オリヴィエは身を翻して幌馬車に戻っていく。そのあとをついていくと、オリヴィエは顎をしゃくって中を見るよう促してくる。
幌馬車にはさまざまな種類の食材が大量に積まれていた。
「こんなにたくさん、いいの!?」
私は興奮してオリヴィエの両腕を掴み、揺する。
オリヴィエは呆れ顔でやんわりと私の手を振り解くと、ベストの裾を軽く引っ張って身なりを整えた。
それからコホンッと咳払いをして、そっぽを向いてしまう。
「よくなければ、初めから持ってきたりしませんよ。見せびらかすだけ見せびらかして、あとはお預けなんて鬼畜な真似はしません」
「ありがとう! すぐにでも旅に出られるね!」
私はこれからはじまる旅に胸を高鳴らせながら、食材をランチワゴンの冷蔵庫にしまっていく。
そんな準備すら楽しんでいると、エドガーの家からロキが出てきた。
「雪、エドガー、ランチワゴンもいいけど、そろそろ休憩にしたら……って、ずいぶんとにぎやかになってるわね」
あらたに増えたふたりの存在に気付いたロキは、苦笑いしながらそばにやってくる。
私は大事な確認をするべく、緊張しながら隣に立ったロキを見下ろした。
「ロキ、皆で旅をすることになったの。ロキもついてきてくれる?」
「そうね、雪たちだけじゃちょっと心配だし、付き合うわ」
「ロキ……!」
私はたまらずその場にしゃがみ込み、ロキを抱きしめる。
そんな私たちをエドガーとバルドさんは温かい眼差しで見守っており、オリヴィエは「また変なウサギと一緒ですか」と迷惑そうな顔をしていた。
個性豊かな面々を見回して、私は感慨深い気持ちで再びランチワゴンを振り返る。
オリヴィエは仕立てのよさそうなベストの埃を軽く払う仕草をして、こちらにやってきた。そして、「これがランチワゴンですか」と値踏みするようにランチワゴンを観察したあと、私たちの顔を見回す。
「見知った顔ぶれですね。その旅、僕も参加したいのですが」
「え、オリヴィエが!? リックベル商店はいいの?」
まさか、彼が参加を申し出てくるとは思っていなかった。私が驚きながらも尋ねると、オリヴィエは愚問だと言いたげな顔をする。
「ええ、従業員は余るほどいますし、問題ありませんよ。それに、前にも話したでしょう。店を出して繁盛させる。そのルーティンに飽きていたところだと。あなたについて行けば、新しい商売の切り口が得られそうですからね。その見返りと言ってはなんですが、これは僕から献上品です」
オリヴィエは身を翻して幌馬車に戻っていく。そのあとをついていくと、オリヴィエは顎をしゃくって中を見るよう促してくる。
幌馬車にはさまざまな種類の食材が大量に積まれていた。
「こんなにたくさん、いいの!?」
私は興奮してオリヴィエの両腕を掴み、揺する。
オリヴィエは呆れ顔でやんわりと私の手を振り解くと、ベストの裾を軽く引っ張って身なりを整えた。
それからコホンッと咳払いをして、そっぽを向いてしまう。
「よくなければ、初めから持ってきたりしませんよ。見せびらかすだけ見せびらかして、あとはお預けなんて鬼畜な真似はしません」
「ありがとう! すぐにでも旅に出られるね!」
私はこれからはじまる旅に胸を高鳴らせながら、食材をランチワゴンの冷蔵庫にしまっていく。
そんな準備すら楽しんでいると、エドガーの家からロキが出てきた。
「雪、エドガー、ランチワゴンもいいけど、そろそろ休憩にしたら……って、ずいぶんとにぎやかになってるわね」
あらたに増えたふたりの存在に気付いたロキは、苦笑いしながらそばにやってくる。
私は大事な確認をするべく、緊張しながら隣に立ったロキを見下ろした。
「ロキ、皆で旅をすることになったの。ロキもついてきてくれる?」
「そうね、雪たちだけじゃちょっと心配だし、付き合うわ」
「ロキ……!」
私はたまらずその場にしゃがみ込み、ロキを抱きしめる。
そんな私たちをエドガーとバルドさんは温かい眼差しで見守っており、オリヴィエは「また変なウサギと一緒ですか」と迷惑そうな顔をしていた。
個性豊かな面々を見回して、私は感慨深い気持ちで再びランチワゴンを振り返る。


