自宅で今度会議に出す、
ハチミツにそっくりの文具のりの企画書を作る。
見た目も香りも、本来のハチミツそっくりにするとともに、
食べてしまう危険性があることから、
注意書きを記載することを忘れないようにしないと。
パッケージも可愛くして、子どもたちに人気が出るような、
それでいて大人の女性が使っていても
違和感のないような可愛い文具にしたい。
前田さんなんかはそういう企画を考えるのが得意だって
みんなが言っていたから、
負けないような企画を考えていかないとね。
やる気満々で机に向かったはいいものの、
パチパチとキーボードを打っていると、
次第に眠くなってくる。
ウトウトしていると、夢の中に落ちていった。
これは、夢?
仁がいる。
私は仁の隣で笑っていて、仁もよく笑う。
温かい部屋の中で読書をする彼のことを見つめる。
仁が私の名前を優しく呼んでいる。
それに応えると、彼は私の頭を撫でた。
優しすぎて、夢じゃなく現実なんじゃないかって思う。
やけに感触がリアルで、私にとってとても都合のいい夢だ。
このまま、夢が終わらなければいいのに。
「ん……」
ぱっと、目を開ける。
夢が終わってしまった。
残念だなと思いながら、時計に目をやる。
もうこんな時間。
夜ご飯を作らないと。
そう思って顔を上げると、向かい側に仁が座っていた。
私の作りかけの企画書に目を通している。
嘘。なんで?
どうして仁がここにいるの?
疑問は頭の中をぐるぐる回る。
嬉しいのが半分。悲しいのが半分。
だって、この顔でまた冷たい言葉を吐くのかと思うと悲しくなる。
耐性が出来たといっても、傷付くのは傷付くものだ。
また、何を言われるんだろう。


