ストロベリーキャンドル




分かりましたと返信を打って、メールボックスを閉じた。
写真はすぐにゴミ箱へ移動させ、そこからも消した。


ここで消しても、葛城さんはこの写真を持っているから
意味ないのだけれど、気持ち悪くて残しておきたくなかった。


いつ撮ったんだろう。
まさか、こんな切り札があったなんて。


あの写真じゃ相手は誰だか分からないし、
私が淫らな女だってことしか伝わらない。


よく考えられている。
自分に被害がない程度に私を脅してくるなんて。


これは私と葛城さんの2人の秘密のはずなのに。


「奏音、具合悪い?顔真っ青よ?」


いつの間にか電話を終えた七海が私の顔を覗き込んでいた。
悟られないように笑顔を無理やり作って首を振る。


七海は特に気にすることなく、
自分の仕事をしに席を立った。


私はカバンから携帯を取り出して、
受診ボックスを開く。


仁からのメールを開いて、
返信メールを作成した。





【もし、誰にも知られたくない秘密を
 ばらされるかもしれない状況になったら、
 その人の言うことを聞く?】


気が動転していて上手く言葉が組み立てられない。
これで言いたいことが分かるだろうか。
そう思ったけれどこれ以上の言葉が見つからない。


諦めて送信ボタンを押してケータイをしまった。