ストロベリーキャンドル




*


ブースに戻ると、葛城さんの姿がなかった。
少しだけ安心して胸をなでおろす。


自分のデスクに着いてパソコンを起動させると、
メールが1通届いていた。


メールボックスを起動させて画面を見ると、
仕事用のアドレスで、葛城さんからのメールが表示されていた。


件名に【秘密】と書かれていて、ドキッとする。
隣で電話応対している七海に悟られないように画面を小さくさせて、
ごくりと喉を鳴らした。


一度目を強く閉じて、メールをクリックした。





【秘密をバラされたくなきゃ、俺の言う通りにしろ】




ドクン、と心臓が鳴った。
添付された画像をダウンロードさせる。
すると、そこには行為中の私の恥ずかしい写真が映し出されていた。


ぱっとすぐに最小化して画面から消すと、辺りを見渡した。


誰にも気づかれていないのか、
みんなそれぞれ仕事に集中していた。


手が震えている。
その手でカタカタとキーボードを打った。


【何をすればいいですか】


送信すると、すぐに返信が来た。


【昼休みに、8階の休憩室に来い。
 来なかったらあの写真を社内にばら撒くぞ】


8階の休憩室って、あの時仁に連れられた場所……。
あんなところで何を?
訝しく思うけれど、行かなければこの写真が
みんなにばら撒かれてしまう。

それは避けたかった。


ここは行くしかない。
刺激しないように言う通りにしなくちゃ。