琴音はどうしようか頭をかかえていた。

目の前に友達の東條 美紀(とうじょう みき)を見つけた時は彼女が世界の救世主に見えた。

「美紀!おはよっ!」

なにかを話している太一を無視して美紀のもとにかけよる。

「おはよ〜。また、朝から大変ね笑笑」

他人事のように(実際そうなのだが)笑う美紀にぷくっとふくれる。

「ほんとに毎日、毎日うんざりよ!」

はぁ、とため息をつく。

「こら、ため息は幸せを逃すよ?」

美紀は琴音の頬を軽くつねった。

「でも、イケメンで、お金持ちなんだし少し付き合ってみたら?」

「やだ」

美紀の言葉に0.5秒で返す。あまりの速さに美紀は苦笑いをうかべる。