夏の暑さが消え去り、秋の風が涼しさをもたらす頃は、外で過ごすにはうってつけである。

大学2年 本城 琴音(ほんじょう ことね)は秋になると毎朝外で本を読むことが好きだった。


三度の飯より本というほど、無類の本好きの琴音は周りから変わり者だと思われていた。

しかし、琴音は周りを気にせず自分を貫き通すタイプであり、また、人と話すことは嫌いではなかったので決して疎外されることはなかった。

時には友達と出かけることだってあった。

それでも、琴音の中で読書に勝るものはなかった。