そそくさと駆け寄り、話しかけてみる。



「あ、あの!」


思いのほか大きくなってしまった声に彼だけでなく周りに並んでいた人まで振り向いた。


「え、」


「昨日は.......ありがとうございました!」



「何が?」



彼は昨日のことを全く覚えていないのか、不思議な顔をしている。



え、、まさか、双子とかじゃないよね?!



「昨日、階段から落ちそうになったところを.......助けて頂いて.......。」



「あぁ。昨日の。」




よかった!双子じゃなかった!
昨日の王子様だった!!