「あの…本気、なんですよね?」

「もちろんだよ」

わたしをまっすぐ見つめる瞳
その瞳に嘘はないって信じたい


「少し待っててください」


わたしは結城さんをその場に残し、急いでデスクに戻った

「あの、お先に失礼します。
お疲れさまです!!」

パソコンの電源を切り、バッグを手に持ち、急いで給湯室に戻った

結城さんは同じ大勢のまま待っててくれた


わたしはバッグから小さな箱を取り出した


「あの、コレ。
受け取ってくれますか?」


一粒のチョコレート

すごく小さなけど
わたしの想いをたくさん詰め込んだチョコ


「俺に?作ってくれたの?」

「はい」

「それは…、期待しても良いのかな?」

「はい…。
わたしも、結城さんのことが好きです…」


ずっと言えなかった
誰にも、相談すら出来なかった想い


結城さんが好き


今やっと、その想いを言葉に出来た



小さな一粒のチョコレートと共に


わたしのありったけの想いを




【完】