映画は、主人公が叫んだり、爆発したり、空を飛んだりと、終始映像がぐるぐるまわっていた。
私は必死で字幕を読もうとしていたが、しかし音もうるさいしで、あまりの苦痛に頭が痛くなってしまった。
途中からすっかり諦めて内容がわからなくなっていた私とは対照的に、山西くんは映画をすごく楽しんだようだった。
「いやぁ、やばかったな。すっごい興奮した。まさかあそこで死んだはずのやつが生き返るとか、誰も思わないよな」
テンションの上がった山西くんの声は大きい。
おかげで、私までまわりの人に見られて恥ずかしいのだけど、当の山西くんは、そんなことを気にしない。
「沙奈ちゃんはどこがよかった? やっぱラスト?」
「そうだね」
適当に同調する私に、「だよな?」と、山西くんはまた嬉しそうな顔をする。
正直少し、しんどかった。
だけど、『友達』だし、たとえ家族であっても趣味は違うものなのだから仕方がないと、私は自分に言い聞かす。
ただ私がそれを受け入れられなかっただけで、別に山西くんは何も悪くはないのだから、と。
「どうする? 腹減ったし、飯行くっしょ?」
時刻はすでに昼を過ぎていたので、私はまた「そうだね」と返した。



