_「礼王様。お可哀想に…。
生徒会の作業が忙しく倒れてしまわれるなど
私が代わって差し上げたい…」

海彩、の声…?
そんな筈ない、海彩は俺と喧嘩をしているのだから



手に柔らかな感触があり誰かが俺を保健室のベッドまで運んで手を握ってくれてるのだとわかった



「でも私がいたら礼王様は駄目になってしまう…
礼王様の為にも離れなければ…」


そんな理由で俺から離れていたのか?
俺はいつだって駄目になったことなど無いのに。
海彩の手がゆっくり離されていく

今すぐ握って確かめたい
でも、本当に現実だったら…?


「礼王様…」


頬に温かい水滴が垂れる
海彩は泣いているのか?

薄目を開けようとした瞬間に唇に柔らかい感触を感じた


心臓が一気に跳ね上がる
これは夢だよな?夢じゃなきゃおかしい。

今の文脈で海彩は俺の事っその…好きとか言ってなかったし

でもキス…。

これは夢オチ?いや夢オチだよな?


唇が離されて海彩らしき人は俺から離れていく…。

その足音は大きく響いた








ドアがパタンと閉まった音で起き上がる


今の夢…!?

鮮明に感触を覚えている


考えただけでも体が熱い
海彩とキスなんて…。
しかも、海彩からしてくるなんて

現実ではあり得ないのに夢だとも思えなかった