一連の仕事を終えて一段落付いたので解散となった

スタジオから外に出ると礼王様が腰かけて眠っていた



…待っていたのか。これほどまでに1人では何もできないとは




『礼王様』

「…海彩、ごめんどこの令嬢か聞こうと思って」

『では、向かいましょう』

「え?でもこんな時間じゃ…」

『レストランの予約を取ってます。行きましょう』



礼王様は立ち止まって動かない

「海彩は俺の事は好きじゃないの?」

『?いえ、好きですよ』

「そうゆうんじゃなくて」



礼王様が近づいてくるから避ける
礼王様は心底お辛そうな顔をしている

でも、これでいいんだ。
この人から離れないと私は自由になれないのだから




レストランに向かうと彼女は文句も言わず座っていた


『この度は申し訳ありません。礼王様も』

「どうして?」

「いいんですっ。来てくれただけでも嬉しいしっ。それに…」


私と礼王様を交互に見る
恐らく一緒に来てしまったから勘違いをされている

礼王様の手荷物を令嬢にお渡しした



「海彩!?」

『これを。礼王様が一生懸命あなたのために選びました
それで遅れてしまったのです。申し訳ない』

「違う!それは…」

「嬉しい!」




令嬢に渡すと心底嬉しそうな顔をされた
流石は礼王様

令嬢1人喜ばすなど訳ないですね



しかし、
礼王様は私の手を引いて外に駆け出した