「ごめなさいね、リハーサルでアクションの相手が足りないの。海彩、護身術できるでしょ?アクションの相手役やって」

『は?いやしかし私は役者では…』

「大丈夫よ!いつも通りやればいいの
近くに礼王がいると思ったらいいのよ」





そう申されましても…。

カメラの前に立ち敵役が殴るので避ける
一瞬の隙をついた






「海彩、やっぱり凄いわね」

『いえ、礼王様の為にやっていることですから』

「そうゆうとこ、柊に似たのね」

『確かに私は顔は母親似ですが中身は父親似と言われてます。逆に陽向は母に似ました』

「あぁ、気持ち悪いったらありゃしないわよ
あなたまで主に忠誠を誓った騎士になりたいの?」

『そうですね、礼王様は大切に育てられましたから誰かが守らないと…』


そう、物心ついた頃には礼王様の側にいたし
礼王様の甘えるままに応えていた

…その言葉は今の私には突き刺さった





「あんたねー、好きに生きなさいよ。でないと、あんたまで迷宮入りするわよ」

『あんたまで?』

「そうよ。そうゆうとこは湊の若い頃を見ている気になるわ
湊は好きな人のために働いてろくに学校に通えなかったのよ
だからいつも口癖の様に言うでしょ。幸せになりなって
あんたは礼王とどうなりたいのよ?」


どう、なるとは?
そんな事を考えたことすらなかった

礼王様が笑ってくれたらいい
でも、私がいるせいで礼王様は笑ってても自立は出来なかった

私は、礼王様とこのような関係を築くべきなのか?