夏休み、礼王様の面倒を見ずに暇を持て余していた私は母さんや他女優さんのマネージャーを手伝っていた


母さんはちょっと有名な女優でドラマや舞台に引っ張りだこだった
子役から演じているらしいが黒歴史があったみたいでそこから子育てをするため少しブランクがあるらしい
でも復帰してからも人気は衰える事を知らず
復帰してからは家に帰ることすらなくなったほど
今は父さんとテレビ局近くの部屋を借りて暮らしてる
そこに一時帰宅した私たちが今住んでるって訳



ずっとマネージャーを務めてる緑川さんは母さんに付きたいんだけど事務所の子が多く夏休みは他の人へ回るから私がだいたい母さんだったり他の人の付き人になる



「海彩ー!ミカちゃんのヘアメイク頼める?」

『はい!』


礼王様のお陰で髪のセットは慣れてきた
ミカちゃんは新人女優さんで私とも歳が近い



「海彩さんって、彼氏居るんですか?」

『いませんが、どうしてですか?』

「だって蒼真くんに口説かれてるのに全然スルーしてるじゃないですかー。
イケメンに口説かれたら絶対赤くなりますって」

『兄がイケメンの部類で、女性関係にだらしないのであまり顔は気にしたことないですね
それにあれは世間話です』


そのとき、噂の蒼真君がやって来た
彼は母さんの息子役を務めているが妙に絡んできてうざい

「海彩ちゃん、今日の予定ある?」

『ないですが、どうかなされましたか?』

「台詞読み付き合ってよ、霧島湊の娘でしょ」





霧島湊を呼び捨てで呼ばれるのが気に入らず
腹を殴る


『手元が狂いますので離れていては?火傷しますよ?』