誘拐されて遠足どころでは無かったので
俺はなす統べなく海彩と別のチームになった





遠足は観光だ
せめて生徒会で回れれば陽向に気を回してもらい二人っきりになれたのに



「というか、拐えばいいんじゃない?」

『あ』




海彩を拐う…。
『お前を拐いに来た』とかいう単語は多くの女性の心を鷲掴みにする
それを言いながら海彩を拐えば海彩の心はドキドキだ


夕焼けをバックにドキドキした海彩に告白したら雰囲気のあまり頷く反応以外あり得ない!!




「あーでも…」

『海彩を拐うからな!』

「あ、礼王待って…あー行っちゃった」




それから俺は1日中、海彩を探し回った…が
どこもかしこも同学年ばかり
ここは観光エリアだよな?
もしかして下級生は同じエリアを回ってはいけないルールでもあるのだろうか?



『君!1年生を見なかったか?』

「1年生の遠足先はプールワールドでしたよね?」


ハッ!!そうだったのか!
三学年行き先が違うなんて盲点だった



プールワールドに急いで行くとそこにも海彩は居ない
何でだ。海彩とは会えない運命に引き裂かれているのか!?

まさか…。プールワールドが何個もあるということは…。




閉店時間になるまで探し歩いたが海彩は居なかった