背負った運命

「そこのお兄さんと、お姉さん。すっごい美形だ

ね。今から俺らと一緒にどう?」

ここまで分かりやすいナンパは中々無いだろう。

俺達は鎧を着ていないし、武器も持っていない。

恐らくただの通行人だと思っているのだろう。

遠慮無く近づいてくる。どうしようか、そう思い

輝夜のほうを向くと、輝夜もこっちを向いていた

流石双子。こういう時は息ピッタリだ。残念なが

ら兵士は近くにいない。もういっその事無視して

この場を離れるか、輝夜にそう念を送ると俺達は

同時にその場に立ち離れようとした。しかし、

「ちょっと待ってよぉ〜おにぃさん。」

そう言って無い胸を腕に押し付けてきた。もう鳥

肌ものだ。輝夜は輝夜で腕を掴まれて動けない様

だった。少し殴るなり、脅すなりすれば直ぐに離

れるだろが今は国の代表としてこの作戦に応援に

来ている、騒ぎは起こせない。

どうするか思案していると、死にそう顔した兵士

が"舞姫様〜" "鬼神様〜"そう叫んでいた。