背負った運命

「輝夜、神楽...どうする?」

先程の話を聞き、真剣ではあるがどこか不安

げに揺れた瞳で尋ねた楓莱

「...」

そんな楓莱に目をやり一拍置き答えた

「私達には、世界の平和を背負う覚悟も義理

も無いわ。それに私は、そんな平和主義の偽

善者にだってなるつもりは無い。私は、私の

大切な人達だけしか守ることは出来ない。」

自らの手のひらを悲しげに見つめた後、

「でも、何も知らずに、知ろうともせずにそ

れから逃げる事はしたくないわ。皆は?」

そう続けた彼女に、自分の答えを探していた

7人は

「『大切なものを投げ打ってまで、世界の平

和を祈る事が、守る事が出来るのか。』

ずっとそれを考えていても、きっと答えは出

ない。なら、自分の運命と向き合うしかない

だろ?」

綾斗の言葉に続けて、

「運命なんて信じない。だけど、これが本当

に運命だと言うのなら、私は、運命だって斬

り払う。」

綾葉が言った。

「お前、そこは向き合えよ...」

少し呆れた様子で言った綾斗に

「嫌よ。自分の道は自分で決める。それが例

え、神に逆らう事になってもね。」

と怪しい笑みを浮かべながら返した綾葉。

「ふふっ。その通りね。なら神に逆らう前

に、御先祖様の声に耳を傾けてみましょう

か。」

「お前ら怖ぇよ。でも、運命を斬り払うのは

賛成だな。」

「俺も。」

「私(僕)達も。輝夜は?」

「勿論、私もよ。」

全員が聞く意思を示した所で

「決まったか。なら、そこの石を中心に円形

に広がれ。術をかけるぞ。」

男の言葉に従い、広がった8人になにか呟く

と光が包み込み8人は消えた。