背負った運命

「死んだ?他の聖獣なら兎も角、朱雀は死な

ない筈でしょう?」

輝夜の問いに男は

「真命契約があるだろう。それに、真命契約

はお前達の始祖が創り出したものだ。そし

て、それが広まる事を防ぐため、周囲の人々

の記憶を消した。しかし、それは200年後に

広まる事になる。お前達の始祖は、契約の仕

組みを創る過程を残してしまった。」

「私達の始祖が、真命契約を創ったの...?

そんなのどうやって。」

綾葉の呟きを聞き逃さなかった男は答えた。

「お前達の始祖は、天才だった。この世界を

創ったのもお前達の始祖だ。人間の世界と聖

獣の世界2つの世界を融合させたのは、驚い

たな。」

「何故、俺達の始祖は2つの世界を融合させ

た?それこそが、俺達"先祖返りをなした者"

が、神子と呼ばれる理由であり、俺達8人が

選ばれた理由だろう?」

神楽の核心を突く言葉に対し、男は答えた。

「惜しいな。2つの世界を融合させたのは、

人間の世界に現れたからだよ。鬼が。お前

等の始祖は考えた。鬼を倒す方法を。そし

て、辿り着いた。鬼が現れたという事は鬼が

存在した場所がある筈だと。もし、そんな場

所が存在するなら、別の生物が存在する場所

がある筈だ。そう結論づけた。その読みは正

しかった。そして、4人は世界を融合させ

た。」