「あっちの方だよ。」

そう言って指をさした先にあるのは、聖なる森だ

けだ。

「早々に向かった方が良いかもしれないわね。」

「この書類を終わらせたら、確認に行こうか。」

輝夜と蒼唯志瑞也が続けて言った。

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「輝夜〜。聞いたわよ?あの女が問題起こした時に感情爆発させたんだって?」

「あっ!それ私も聞いた〜!珍しいね?」

「私も聞いたわよ。」

「ゔっ、、、皆して意地悪よ。」

少し頬を膨らませた彼女はとても愛らしい。

和やかな空気の女性陣の後ろで、男性陣は

「俺もその話聞いたぜ。大丈夫なのか?」

その言葉には、きっとその後の事も含まれている

んだろう。神楽は溜息をつき、首を横に振った

「あの後相当落ち込んでたよ。自分が言った事だ

けど、やっぱりまだ、別れたくなかったんだろう

な。」

「だろうね。けど、どれだけ愛しく思う人が現れ

ても、自分は、自分達はもうすぐ死ぬかもしれな

い。輝夜の事だし、そんな事ならお互いの為にも

早く別れた方がいいと思ったんだろうね。この機

会に。きっと僕もそうしただろうな。これ以上、

愛してしまう前に。」

「それでも、残された時間くらいは愛した人と一

緒にいたい。そういう思いも半分くらいあるんだ

ろうな。」

「本当に。何で俺達は選ばれたんだろうね。

今も昔も、幸せを奪われて、この人生で1番の幸

せはみんなに会えた事。それでも十分だけど、も

う少し普通の人みたいに生活したかったな...」

上から楓、綾斗、志瑞也の順にそう言った。