背負った運命

見ていた生徒達は、唖然としていた。

輝夜は、いや、輝夜だけでは無い。他の生徒会の

メンバー達も、自分達の前で大きく感情を露わに

することは無かった。

見ていた生徒達は誰1人声を出ない。いや、出す

事を躊躇していた。彼女の静かな声の中にある、

悲痛な思いを感じてしまったから。

それでも、それを感じなかったのが愛華だった。

愛華は、朱雀を本当に大切に思っていたのだろう

彼女は

「それが、何よ。辛い思いをしたのは、自分達だ

けだと思ってるの?他の人の苦しみは、自分達に

は、到底及ばないと?」

それに続けて

「勝手なこと言わないでよ...!何、悲劇のヒロイ

ン気取ってるの?!私は、貴女を許さない。」

彼女は、手にナイフを持ち輝夜に向かって走り出

した。突然のことに反応が遅れた輝夜に、ナイフ

は刺さると思われたが、そのナイフを止めたのは

朱雀だった。そしてそのナイフを払い落とし、愛

華の腕を押さえつけた。