背負った運命

審判を神楽に頼み試合を開始した。

まずは、相手の出方を見ましょうか。

あの子は何をブツブツ言っているのかしら?

魔法の呪文でもないし、聖獣を呼ぶわけでもなさ

そうね。何を言っているのか気になって仕方なか

った私は、朱雀の耳を借りる事にした。

すると、

「ふざけるな、朱雀、契約、殺す、死ね、」

...聞かなかったことにしようかしら。朱雀に耳を

返し、再び相手を見据えた。

「早く死んでっ!」

そう叫びながら、刀を持ち飛びかかってきた愛華

を見ると、ひくっと口角が上がった。

なかなか物騒な顔をするのね。

愛華の一振を流し、彼女に切り込み、首に当たる

寸前で止めた。

「勝者・赤羽輝夜!」

神楽がそう叫んだ。

周りの生徒達が歓声を上げる中で、朱雀は私の元

へ飛んで来た。

愛華は腰を抜かし座り込んでいる。しかし、彼女

は口を開いた。

「ねぇ、どうして?どうして?私を選んでくれな

いの!?」

狂気的な声で叫ぶ彼女に朱雀は

「お前には、願いがねぇだろ。」

「願、い?」

「俺達聖獣が主を選ぶ基準は、自分の願いとその

人間の願いがどれだけ近いか。だ。」