背負った運命

「なぁ輝夜。」

「何?」

「あいつら今何してると思う?」

「任務をしていると信じたいわ。」

「ぶふっ。あいつらすぐ何か仕出かすからな。」

「あの6人も貴方には言われたくないと思うわ」

「お前も人の事言えねぇだろが。」

そんな呑気な事を話している2人の後ろを3人の兵

士が着いて行く。とても討伐する為に偵察しに

行く雰囲気じゃない。

「あの2人の会話には、緊張感がないな。」

「まぁ、踏んだ場数が違うんだろ。」

「それもそうか。」

この2人も前の2人と比べると緊張はしているが、

それほど切羽詰まった様子では無い。

「....」

1人無言で着いて行く兵士は強ばった顔をしてい

る。

そうして、各々進んで行くと街が見えてきた。

「あれね。」

「輝夜、探れるか?」

「えぇ」

輝夜は瞳を閉じ、意識を集中させた。

静かな時間が訪れる。声を出すことを許さないよ

うな静寂の時間。

「見つけた。」

すっと瞳を開き小さな、けれどしっかりとした声

で、そう呟いた。