背負った運命

ひと騒ぎした一向は、落ち着きを取り戻し進行を

再開した。

草竜と思われる聖獣がいる街までそう遠く無い。

彼らは先程出発した街と草竜がいる街の中間地点

で1度留まり、偵察部隊を向かわせることにして

いた。

「では、偵察に向かうメンバーですが、」

輝夜がそう言うと、一同は喉をごくっと鳴らし次

の言葉を待った。

「私と神楽、それと貴方と貴方それから...貴方の

以上5名で向かいます。異議は認めません。」

兵士の中から選ばれたのは3名だった。2名は、

ベテランの騎士だったが、もう1名は、出発する

前顔面を蒼白とさせていたあの兵士だった。

発表の直後、ホッとする人や、悔しそうにする人

休憩出来ると喜んでいる人等様々な反応を示し

た。

輝夜と神楽は気にも止めず選んだ3名に向かい

「少し、騎士団長と魔法師長と話して来ます。」

「その間に準備しとけよ。」

そう言い放ち、背を向けた。