激怒する千夏に対して「なら嘘つくんじゃ無い⁉︎」と信二が千夏を叱責する。
(嘘?)「誰が嘘ついたって言うのよ⁉︎」
「母さんに嘘ついただろ⁉︎
体調崩した同僚の代わりに仕事になったから、帰れない。って言っときながら、お前は何処でナニしてたんだ⁉︎」と信二は畳み掛けた。
(なんで私がお母さんに嘘つくのよ⁉︎
今迄一度もお母さんに嘘なんてついた事なんて無い!
間野さんの体調が悪くなったのだって本当の話)
「何してたって仕事に決まってるでしょ⁉︎」
「嘘つくんじゃ無い‼︎」と信二はさらに声を荒げた。
声を荒げる信二を琢磨は落ち着けと諭し、今度は琢磨が千夏に質問した。
「千夏、もう一度聞くぞ?
お前、本当に会社に居たのか?」と琢磨は優しく聞いた。
「勿論居たよ!」と言いきった後、直ぐに千夏はまずいと思った。
普段千夏に関してだけは、信二より琢磨の方が感情を露わにするのに、この時ばかりは穏やかに話す琢磨に、千夏は恐怖を感じ始めていた。
(あの顔…知ってる…
確信を持ってる顔だ。
でも、何を根拠に疑ってるの…
私が社内に居なかった事…)
「ずっと?」
そして、琢磨は微笑みながら千夏が思った通りの問いかけをしてきたのだ。確信を持って話す琢磨の目を見て話す事が出来なくなった千夏は、ついに琢磨から目を背けてしまった。
つい先程まで兄達の行動を叱責していた千夏だが、遂に追い込まれてしまった。
(やばいかも…)
「…お…お昼を食べに…少し…外に出た…けど…」
口籠もりながら話す千夏に、ジリジリと琢磨は迫り来る。
「それだけか?」
(違う…
でも、チーフの家に行ったなんて話せない。
ましてやチーフと寝たかも…?
しれない…なんて…
そんな事話したら最後、私ここに居られなくなる。
でも…わたし…DOYで働き続けたいの…?
DOYは私の居て良い場所なのか…今は分からないけど…
今はお兄ちゃん達に余計な心配かけたく無いし、社長の件は兎も角、会社に迷惑かけたく無い)

