小野田夫妻の養子となった琢磨と信二は、小野田夫妻に約束した通り千夏の面倒をよく見、まったく小野田夫妻の手を煩わせる事なく可愛がった。
どこから見ても仲の良い兄妹であり、仲の良い家族になっていた。
だが、成長するにつれ琢磨と信二の千夏に対する想いは、いつしか妹から一人の女性への想いと変わり、千夏を溺愛する迄になっていた。
千夏に近づく男友達は排除し、千夏の就職活動さえも邪魔する様になり、千夏にとって大好きだった兄達の行動は頭を悩ませる大きなタネとなっていた。
兄達の言動を両親に相談しても「大好きな千夏の事が心配なのよ」と言われるだけだった。
諦めかけていた千夏へ救いの手が差し出された。
