就職活動では黒星が続いていた千夏だが、恩師である篠原教授の知人の木ノ下(おとこ)の紹介で受けたDOYに拾われ、なんとか就職浪人を免れる事が出来、無事社会人になる事が出来た。

千夏が勤めるDOYは、IT企業の中でも開業以来右肩上がりで有名なうえ、業界では一目置かれる存在である。ただ、あまり事実内容は明かされておらず、社員である千夏でさえ詳しい事業内容は知らされていない。
千夏が知ってる事といえば、日本人の3人に1人が利用していると言われるコミュニケーションアプリ(無料通話アプリRibbon)を開発し全世界へ発信したのが、DOYの社長だと言う事を千夏は入社式で知った。

最近iPhone(アイフォン)やAndroid(アンドロイド)端末といった「スマートフォン」が急速に普及しそのユーザー数は、年々倍増している。
こうしたスマートフォンの普及に比例するようにアプリRibbonの利用者が爆発的に増え、DOYの株価も年々高値を付けている。

学生時代からRibbon(無料通話アプリ)は千夏も利用していたが、そのアプリを開発したDOYで働く事になるとは千夏も思ってもいなかった。
何しろ千夏はコンピュータ類には疎い方だった為、IT企業など千夏には縁のない世界だと思っていた。
恩師である篠原教授に木ノ下を紹介されなかったら、DOYで働くどころか就職浪人になっていたかもしれない。