千夏に対する菅原の嫌味が続く中、勢いよく部署のドアが開いた。
一斉にドアへと注目が注がれ、そこに立っていた春樹に皆んなが驚いた。
春樹は千夏の元へ駆け寄ると険しい顔で「うさぎ‼︎」と千夏を呼んだ。
(えっえ!何事?)
「お前、勝手に1人だ出歩くんじゃない!」
「勝手にって…別に良いじゃないですか!」
「アホ!
今朝も倒れただろ」
「点滴したら良くなりました!」
春樹と千夏の会話を聞いて、部署ないはザワザワと騒ついた。
『小野田さん、やっぱり体調悪いんだ?』
『もしかして、入院してたんじゃないの?』
『え?じゃ、チーフが付き添ってるの?』
『あーだから店長さんに手伝って貰ってたんじゃない?』
『なんでも悪くとる人って嫌よね?』
などと囁かれ、菅原は余計な事を言ったと思い、背中を丸め小さくなって下を向いていた。
そんな菅原には皆んなから冷たい視線が注がれた。
「チーフ、場所を変えましょ?」
「はぁ? 別にここで困る話じゃないだろ?」
「私が困ります‼︎」
千夏はそう言うと、廊下へと出て行った。
そして、追いかける様に春樹も出て行った。

