全ての確認が終わると、春樹はスプリングを確認する様にベッドの上に横になり、天井を見つめた。

「なぁ坂下?」

「はい」

「………」

「どうしました?」

「…幸せに出来ると思うか?」

「…正直、私にはわかりません。
若がどんなに彼女を想い、愛して尽くしたとしても、心は彼女のモノですから…」
坂下は春樹を諭すかの様に話した。

(だよな…
グタグタ考えても仕方ないって分かってる。
だが、つい考えてしまう…)

「ちょっと隣に寝てみろ!」と言って、春樹はポンポンとマットレスを叩いた。

「は?」

「二人で寝ても耐えられるか、確認して置いた方がいいだろ?」

「それは確認しなくても…
耐えられない様なら、それこそ問題ですよ!」

「だから、問題無いか確認したいんだ!
もし、うさぎが寝てる時に何かあったらどうする?
おまえ責任取れるのか?」

「………」

「早くしろ!」と、春樹は再びマットレスを叩いた。

坂下は仕方ないと、ベッドへ両手をつき片膝をついたその時、突然廊下側の襖が開き、二人は何事かとそちらを見ると、驚いた顔の拡が立っていた。

「…俺、何も見てません!
姐さんにも何も言いません!」と言って廊下を走って行った。

「「あっ…」」

「…多分大丈夫です。拡は口が堅い方なので…」と坂下は慰めの言葉を言った。

(何が大丈夫なんだよ?何が⁉︎)

「…俺達にバカな噂がある事くらい、おまえだって知ってるだろ…」

「………」

二人は頭を抱えた。