直ぐに、自分の提案を覆して来た。
「やっぱ、さっきの無し!“お試し”とか、軽いし、簡単に振られそうでヤだな、俺」
「工藤くんが言ったんでしょ!?」
「だから、今、そういうこと言うのは早いかなって、思ったんだって!」
「私、もう言っちゃったじゃない!」
「………何て?」
「“好き”」
工藤くんが固まってる。
私もだんだん恥ずかしくなってきて、耳まで熱い。
慌てて俯いて……
「それ、そーゆーこと!?」
「自惚れて良いって言った!」
恥ずかしさに声も強くなってしまった。
「なんだよ……気にしない?」
「………しない」
「じゃあ、俺も、気にしない」
工藤くんは眼球だけをぐるりと動かして、まわりを確認した。
「俺も、好き」
静かな空間では、小さな声でもハッキリと聞こえた。
「付き合って、下さい」
「………はい」
「すっげぇ、恥ずかしい」
「うん、だね」
二人で意味なく立ち上がった。
「あ!」
「何!?」
工藤くんが両方の人差し指を私に向けて
「お試しじゃないからな!ちゃんとしたやつ!ちゃんとしたやつな!!」
大きな声。
「うん!」
その向けられた指に、笑った。
「あはは、ゲッツ!?」
「ちげー、フレミングの法則!」
「電、磁、力!」
「……あれ?サイン、コサイン……あれはなんだっけ?」
「三角関数だね」
「うぇ、俺…セレクション狙お」
「バスケで?」
「うん、実は本気で狙ってるF大。もし、セレクション落ちても、一般で入りたい。バスケ、続けたい」
……意外。
ちゃんと考えてるんだ。
「今度はおんなじ……気が早いか……」
「ん?」
「おんなじ学校、行きたいなって」
「F大?うわ、勉強がんばんなきゃ!……私も推薦入試狙うか……」
「はは!じゃあ、今のうちにいっぱいデートしとかないとな」
サラリとそう言った工藤くんから
今度は私がハンカチを取って
汗を拭いた。
ハンカチごと、私の手を包むと
「あと、ちょっとだけ、一緒にいよう」
こっちも向かずに、彼がそう言った。
見えてないだろうけど、私も小さく頷いた。
苦しいほどの、胸の鼓動も、緊張で滲む汗も
嬉しいものだった。
これから、お互いを知っていく。
“カレカノ”になって。
「やっぱ、さっきの無し!“お試し”とか、軽いし、簡単に振られそうでヤだな、俺」
「工藤くんが言ったんでしょ!?」
「だから、今、そういうこと言うのは早いかなって、思ったんだって!」
「私、もう言っちゃったじゃない!」
「………何て?」
「“好き”」
工藤くんが固まってる。
私もだんだん恥ずかしくなってきて、耳まで熱い。
慌てて俯いて……
「それ、そーゆーこと!?」
「自惚れて良いって言った!」
恥ずかしさに声も強くなってしまった。
「なんだよ……気にしない?」
「………しない」
「じゃあ、俺も、気にしない」
工藤くんは眼球だけをぐるりと動かして、まわりを確認した。
「俺も、好き」
静かな空間では、小さな声でもハッキリと聞こえた。
「付き合って、下さい」
「………はい」
「すっげぇ、恥ずかしい」
「うん、だね」
二人で意味なく立ち上がった。
「あ!」
「何!?」
工藤くんが両方の人差し指を私に向けて
「お試しじゃないからな!ちゃんとしたやつ!ちゃんとしたやつな!!」
大きな声。
「うん!」
その向けられた指に、笑った。
「あはは、ゲッツ!?」
「ちげー、フレミングの法則!」
「電、磁、力!」
「……あれ?サイン、コサイン……あれはなんだっけ?」
「三角関数だね」
「うぇ、俺…セレクション狙お」
「バスケで?」
「うん、実は本気で狙ってるF大。もし、セレクション落ちても、一般で入りたい。バスケ、続けたい」
……意外。
ちゃんと考えてるんだ。
「今度はおんなじ……気が早いか……」
「ん?」
「おんなじ学校、行きたいなって」
「F大?うわ、勉強がんばんなきゃ!……私も推薦入試狙うか……」
「はは!じゃあ、今のうちにいっぱいデートしとかないとな」
サラリとそう言った工藤くんから
今度は私がハンカチを取って
汗を拭いた。
ハンカチごと、私の手を包むと
「あと、ちょっとだけ、一緒にいよう」
こっちも向かずに、彼がそう言った。
見えてないだろうけど、私も小さく頷いた。
苦しいほどの、胸の鼓動も、緊張で滲む汗も
嬉しいものだった。
これから、お互いを知っていく。
“カレカノ”になって。



