昼休み。

昨日同様にむっちゃんがお弁当を持ってやって来た。


「よう、むっちゃん!」

「あ、よう!ふっちー!」

なんてやり取りですら、むっちゃん嬉しそうで……


「むっちゃん、やっぱこの為に来てんじゃないの?」
ってからかう。

「ちょ、聞こえる!違うから、本当、違うから!」



「睦美!」
そう言って入ってきたのは……
誰だろう。


「あ、セイ!どうしたの?」

「あれ、さっちゃん!?睦美さっちゃんと友達だったんだ」

「いや、昨日から友達」

首を傾げたセイと呼ばれた女子は、さっちゃんと同じバスケ部で、むっちゃんと同じ3組だということが分かった。


「セイ、どうなってんの?」

「睦美、3組の一部の女子と揉めてんの、知ってる?」

「……うん」

その原因の男子は、セイとも知り合いらしく…


「よう!」

と、言った。


「おう!」
セイが男前な返事を返して、私たちに向き直った。


凄い整った…ハンサムな人だ。
さっちゃんと同じくらい背が高い。


話してみると、性格もハンサムだった。



「私、ちぃこと同中なんだけどさぁ、あいつ、昔からそうなんだよ、ああいうとこ、ほんっとに嫌い!」

正義の見方みたいなセイはそう言うと…


「あ、お弁当取ってくる。ちょっと待ってて…」

そう言って走り去って


「お待たせ!」
そう言って帰ってくると



「パン買いにいこ」
今日もそう言って立ち上がったふっちーに


「私、メロンパン!」
そう言って100円玉を渡した。


「おー」

「よろしく!」



「よく食べるよね、セイ」

「部活までもたないでしょ?」


いわゆる女子高生の可愛らしいお弁当箱ではなく、しっかりとした量を食べてる。


そこも潔いし、引き締まった体は、これくらい必要なのだろう。



「さっきの話!ちぃこってさ、大人しいし、ウマイんだよね、女子で群れるタイプで、どんどん味方つけてくの。好きな男を直ぐに人に話すのも、“私が先に好きって言ったんだからね”って感じ。牽制に使うの。他の子が言いにくいように…私なんてぇって言いながら、回りの協力仰ぐんだよ。あのやり方、好きじゃない!」


ピシャリとセイが言った。



「でもさ、気持ち分かる」

むっちゃんは、そう言った。


「あんたねぇ、それでグループ追い出されて、まだ庇う?」


「追い出されたっていうか、居心地悪くて、私が出ただけだし…」

むっちゃんが箸を止めてそう言った。