週明けの昼休み

いつものように、さっちゃんとお弁当を広げる。


ファッションアプリを見ながら

「…髪伸ばそうかな…」

とか言ってるさっちゃんが、可愛い。



「なんだかんだ、紗香って可愛いもんね」

「そうだね、告白されるとか、流石すぎるよ」



ガタッと音がして、ふっちーが自分の椅子を私達の机に付けた。


といっても、隣の席だから、椅子の方向を変えたらすぐにこちらを向く形になる。



「なぁ、紗香って石橋?」

「そうだよ」

「ふっちー仲良かったっけ?」
さっちゃんが自然を装ってそう聞いた。



「いや、あんまり…何か…嫌われてるっぽかったんだよなー」


吹き出すのを誤魔化す為に反対方向を向いて咳をするフリをした。


「ゴホゴホッ」

紗香、バカすぎる…


「そうなんだ、アンタ何かしたの?」

「……してなくも、ない」

ふっちーは微妙な、顔でそう言った。



「何それ」

「ま、いいだろ」


自分から話に入ってきたのに変な奴だ


「今日も梅干し?」

「へぇ、種…」

「さっちゃん!」


「何だぁ?」

「いや、何も、何も。はは!何、ふっちー紗香が気になる?」

誤魔化すのにそう聞くと


「いや、別に。彼氏出来たのか、あいつ」


別にとか、言いながらそう聞いてくるもんで



「どうだろうねー」

ってちょっと意地悪に返した。


「今週の合同練習、紗香も見に来てくれるんだっけ?」

分かってるくせに、さっちゃんがそう聞く。


「うん、来ると思うよ」

そう言った私に


「K高のバスケ部に彼氏いんの?」

ふっちーがそう聞いてきた。


「私の、応援ですよ!」

さっちゃんがそう言うと


「そっか。あー、昼飯足りねぇから購買行こ」

そう言ってふっちーは教室を出ていった。




「ちょっと、あれ、どう思う?」

さっちゃんが私に顔を近づけてそう聞いてくる。



「何か引っかかるよね」


そう言ってさっちゃんと顔を見合わせると
ニヤリと笑った。



「紗香、可愛いからなぁ」


「変な奴だけどねぇ」


「さっきのふっちーも“変な奴”だったね」


「ねぇ、何でだろうね」


私達はもう一度顔を見合わせて



「もしかすると……」

「もしかするかもね」


ニヤリと笑った。



「紗香には黙っとこ」


「そうだね、ますます“変な奴”になっちゃうからね」


今週の合同練習が物凄く楽しみになった。