他校生

「終わった」

最後の答案用紙を裏返すと、教室を出た。


快晴くんの部活は休み。

午後イチで会える!



ほんと、このエネルギーって凄いよね。

テスト勉強で大して寝ていないのに
全然眠たくない!



待ち合わせの本屋さんの前。

見えた姿に


やっぱり、ちょっと恥ずかしくなって


一テンポ置いて深呼吸。

私に気づいた工藤くんが


人懐こい笑顔を向けた。



「あ、どうしたの、それ?」

快晴くんの手の甲を指差した。

「ん?あ、本当だ。どっかで擦ったんだな」

「私、バンソーコー持ってるよ」


快晴くんが、少し目を開いて
足を止めた。



「貼って……もらおうかな」

「うん」


この手と繋ぐようになっても
何だか緊張してしまう。



「手、綺麗だよな。あの時もそう思ってた」

「そんな事、思ってたの?」


「繋げるとは思えなかったけど、ラッキーって」

「……クールな感じだったのに。さっさと行っちゃって」


「同じ高校だと思ってからな」


「……そうだよね」


「そっちは、違うって分かってたのにな」


「……ごめん」


「森さんを学校中探しまくったのは、俺の黒歴史です」


「あはは!」



バンソーコーを貼った手と
指を絡めて繋ぐ。



「久々にあの公園でも行って、走る!?」

「青春だねぇ。私、自転車でもいい?」

「あ、俺…女子の自転車なら勝てる位だけど、行ける?」

「……嘘でしょ?」

「うちの高校のマラソン大会は常に上位」

「……いるよね、そういう人」

「ごめんね、陸上部」

「……いるよね、陸上部より早い人」

「いやぁ、毎年10位内に一人文科系の奴入んの、何あれ!?」

「いるいる、そういう人!!天性のセンス!!」


「朱里は?」

「……完走を目指してる」

「あははは!練習しようか!」


快晴くんが、腕でカモンのジェスチャーをすると走り出した。


「やだ、止めて!寝不足なのよー!」




ピタリと足を止めて振り替える




「……寝に、行きますか?」


「え、は!?なぁ!?」


多分、凄い顔で凄い色になったと思う。



「寝る、だけだって!」

「寝れるわけないじゃない!?」



「ん?何で?」


絶対分かってて言ってる


「もーっ!」



久しぶりに会うと、恥ずかしい。

でも……

ちょっと、そういうのも……


アリ。