他校生

「ねぇ、何か情報ないの?」


久しぶりの3人。

紗香が私とさっちゃんにそう聞いてくるもので

私とさっちゃんは温く見つめた。


「はぁ、もうふっちーの事は、紗香が一番詳しいでしょ!?」


「そうだけどさぁ。授業中の居眠りとか見たいじゃない!」


「……普通の寝顔見てるんでしょ?」

さっちゃんの言葉にギョッとしたけど


「また違うじゃん!」

と返す紗香に、もっとギョッとした。


「また、忍び込んだらぁ?」

「あ、それいいね!」

「えぇ!?私もう貸すの嫌だからねー!」

「何で!?居眠り工藤見れるよ!?」


それにちょっと心が動いたけど


「そんな勇気ない!それに、うちの制服来たところで、紗香はすっかりふっちーの彼女って顔バレてるから!」

「ちぇーっ」

「紗香って変などこで勇気あるよね。私、K高の校門で待ってるだけで、ジロジロ見られて……居心地悪かった……」


「ああ、何かクラスの女子が、彼女が来てたたら何たら言ってたわ」


「嫌だー……」


「可愛いって言われてたよ」


「マジ、いい人だね」


「単純だな、朱里」


「じゃあ、ふっちーと工藤くんに制服好感してもらったら?」

さっちゃんが半分呆れるように、私達にそう言った。


「工藤の学ラン微妙だね」

「……それは確かに、私もそう思う」



「Wデートも悪くないな、してみるか」

紗香がわくわくして言った。



「ほーんと、紗香も変わるもんだ」

「……だってさ……」



「さっちゃんも髪伸びたね」

「うん」

「むっちゃん見たよ、この前。彼氏といた」

「いやぁ、あそこもスッカリ……」

「ね、私……ホッとしたのに、複雑」


紗香が遠い目をして言った。



「色々あったよねぇ」

「ほんと、濃かった」



「良かったね」

「うん、良かった」



紗香と誤解が解けて良かったと思う。


恋をして知ったのは、辛くて、複雑で

相手の気持ちも、友達の気持ちも、自分の気持ちも、全部蔑ろに出来なくて

苦しくて……


だけど、楽しい気持ち、幸せな気持ちも知ることが出来た。


今ならそれも……経験出来て、そんな自分を知れて良かったと思う。

劣等感から来る嫉妬心も

自尊心も


言葉に出来ない、気持ちも



むっちゃんのような、恋の終わりも


新たな恋も


全部が、良かったなって

今なら……笑い合える。



「むっちゃん、ほんと、いい子だよね」

「うん、幸せになって良かったよ」